内部留保を貯めることは悪なのか。内部留保とは何なのか。
内部留保は悪!?
「内部留保を溜め込む会社は悪だ!」
「儲かっているのなら社員の賃金を上げるべきだ!」
これは意見は正しいのか?
正しいと思ったあなた。内部留保とは何なのか。
答えられる人はどれくらいいるだろうか。
内部留保とは何か?
売上から様々な経費等を引いて最終的に算出された「税引き後利益」、所謂「利益剰余金」である。
これが「内部留保」の正体である。
「そんなことは知っている。だからその利益を従業員に還元するべきだ」
そう思われるかも知れない。
では、その内部留保は何で構成されているのか。
現金なのか。
確かに現金も含まれる。
だが、現金だけではない。
そこには設備投資で購入した工場や設備、株や債券も含まれる。
そう、現金だけでなく投資にも回している。
だから賃上げしろと言われても、そんな簡単にできるわけがない。
そこを間違えないでほしい。
先にも述べたとおり、内部留保は利益剰余金だ。
会社が毎年利益を出し続けたらその利益は蓄積される。
毎年1億円の利益を出している会社は、毎年1億円ずつ内部留保が増える。
10年間毎年コンスタントに1億の利益を出し続ければ内部留保は10億円になる。
つまり、利益を出し続ける限り、内部留保は増え続けるということだ。
(固定資産等は減価償却されるので実際には内部留保は減少するが、複雑になるのでここでは考えないものとする)
逆に、内部留保が減るということは、会社が赤字を出していると言うことに他ならない。
会社が存続するためにも内部留保は必要
多くの会社は常に成長し、事業拡大を目指している。
利益が出れば何かしら投資をし、生産性を向上させ、さらに利益を上げていく。だから成長していると言えるのだ。
それには原資、つまり内部留保が不可欠なのだ。
財務諸表に出てこない、隠れた重要な資産
結局会社が儲かっても従業員には還元されないのか。頑張っても賃金は上がらないのか。
決してそんなことはないし、あってはならない。
財務諸表にはこそ現れないが、「人は資産」だ。
人に投資することは将来の利益を生むことに繋がる。
生産性を高め、更なる利益に貢献している従業員にはしっかり還元すべきだ。
それができない企業は従業員に見放され、いずれ淘汰される。
コロナ禍では従業員の雇用を維持できなく会社も多いだろう。
内部留保があるならリストラは必要ないと思うかもしれない。
それはあくまで内部留保を現金で貯め込んでいた場合だ。
現金があれば、当面の給料の支払いもできるだろう。
だが、現金以外のもの、特に設備等の場合はそれを売却してしまうと事業そのものの継続が不可能になる。
現金をすべて吐き出してしまうワケににもいかない。
倒産してしまっては元も子もないのだ。
結論
話が少し逸れてしまったが、内部留保を溜めるとこは悪なんかではない。むしろ健全に経営している証ではないだろうか。
マスコミが「企業の内部留保が過去最高だ。」などと騒ぎ立て、悪いことのように報道する。
はたしてそれは本当なのか?
本当なら、なぜ会社は内部留保を溜めるのか。
ただ鵜呑みにするのではなく考えてみてほしい。
本当に悪なのかを。